美味しさを追求したら「雌牛の肉」
大ヒットして、テレビアニメにもなったグルメ漫画に、「美味しんぼ」(小学館刊)があります。そのコミックの第6巻のタイトルは、まさに「牛肉の力」です。その中で主人公・山岡のライバルであり、父でもある海原雄山はこう言っています。 「牛の肉で旨いのは、子供を産んだことのないメス牛の肉だ!それも3年以上良い飼育で大事に育てられた牛だ!」 このセリフには農業関係者から多くの賛同の声が集まりました。
オス牛とメス牛の成長の違いについてオス牛や去勢牛のほうが大きく
育ち、体質的に太りやすい傾向にあり、育てやすいのが特徴です。
しかし、オス牛や去勢牛はその性質上、どうしても筋肉質になりがちで
食べた時に若干固めの食感になってしまいます。
大事に育てたメス牛は、オス牛よりもきめ細かい肉質となり、きれいなサシ(脂肪分)が入るのが大きな特徴です。
またその肉には、不飽和脂肪酸である「オレイン酸」が多く含まれます。
メス牛はサシの溶ける温度が低いため口の中で滑らかな舌触りを生み、たっぷり含まれたオレイン酸が旨みを発揮すると言われています。
肉本来のおいしさを感じたいなら、断然メス牛がおすすめです。
ちなみに和牛ブランドのうち「松阪牛」は、すべて「未出産のメス牛」が出荷されています。
実際にはメス牛は太りにくく、育てるのが非常に難しい、という問題を
抱えています。
そのため生産者はどうしても成長が早くて太りやすいオス牛の育成に走りがちです。
そしてメス牛に近いおいしさを求めて早くから去勢して、大きさはオスのまま、肉質はメスに近づけた「去勢牛」が多く流通しています。
そのため実際の市場に出回る量として、メス牛は極めて少ないというのが現状です。
もし他の店で手にしたトレーにメス牛が
入っていたら、それはラッキーなのかもしれません。
しかし残念ながら
一般的に、牛肉にはオス・メス・去勢の表示はありません。
実はメス牛は肉の発色があまりよくないという事実があります。オス牛や去勢牛のほうがピンク色の発色がよく、パッと見た感じではオスの方がおいしそうに見える方も多いことでしょう。
そのため同時に並んでいたら、どうしても見た目でオス牛を手に取ってしまうパターンが多いのではないでしょうか。
産地やブランドにこだわらず、プロの目利きで勝負する当店。
表示はありませんが、ステーキ用、すき焼き・しゃぶしゃぶ用など、
値段が上位のラインナップについては、すべて「メス牛」を店頭に並べています。
脂の旨みが好みの方は他店で購入していただいても構いませんが、肉本来の旨みをお望みのお客様は、ぜひ当店におこしください。
「最近、牛肉の脂がしつこくて…」といった年配の方にも、
「あまり高い肉を買わないけど…」といった若い方にも、
牛肉本来の旨みを「メス牛で!」必ず感じてもらえるはずです。
長年かけて培った仕入れのネットワークを使い、常時メス牛を揃えて
来店をお待ちしております。
旨味を引きたてる職人技「肉の切り方」
大きな肉のかたまりがあります。あなたはきちんと肉を切ることができますか? 「どんな切り方をしてもおいしい肉は大丈夫!」なんて思っていませんか。 実は切り方によって牛肉は、抜群の脂の甘みを発揮したり、逆にせっかくのお肉を台無しにしてしまったり、見た目も旨さも変えてしまうのです。
お肉の中には目に見える形で繊維のラインが走っています。 その繊維に対して直角に切るか、水平に切るか、斜めに切るか、 繊維を無視して同じ大きさに切りそろえるか、…といったように、 料理の用途・ジャンルによって切り方を変えることで、 その料理のおいしさを引き出す大きな要素となるのです。 当店では牛肉の繊維を判断して、切り方、大きさ、厚さを絶妙に変えて、店頭にお出ししています。 それぞれの「切られた」お肉の姿、表情で、熟練の技を感じ取っていただけるはずです。
当店では、店頭で同じ「サイコロステーキ用」という表示があっても、
肉質や繊維の流れの違いでサイコロ型とスティック型に切り方を変えています。
固さ、脂の量など仕入れた肉の性質、繊維の状態などいくつかの
ポイントを見極めて、あえて変えて出しているのです。
そして何より、
きれいな切り方であれば食欲を誘いますよね。
「ブリスケ」というおすすめの部位は花が咲いているような切り方と配置で店頭に並べています。
肉の切り方に込められた職人技をご覧のうえ、ご購入ください。
もちろんリクエストに応じて、肉のブロックからご希望の方法・大きさ・厚さを職人技で切り出すことも、おまかせください。
※素材がない場合がありますので、リクエストは当ホームページからのご予約をおすすめします。